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小児矯正(子どもの矯正)

小児矯正

小児矯正は、乳歯と永久歯が混在する時期に行う矯正治療で、顎の成長を適切に促しながら歯並びを整えることを目的としています。歯並びの乱れは見た目だけでなく、噛む機能や発音、顔の形にまで影響を及ぼすため、適切な時期に治療を開始することが重要です。
成長期の骨の柔軟性を活かすことで、大人になってからの矯正よりもスムーズに歯の移動が可能となり、負担を抑えながら効率的に治療を進めることができます。

お子様のこのようなお悩みはありませんか?

  • 口をポカンと開けていることが多い
  • 指しゃぶりがなかなかやめられない
  • 頬杖をつく癖がある
  • 爪を咬むことが習慣になっている
  • うつぶせ寝をよくする

歯並びや話し方に影響を与える悪習癖

これらの癖(悪習癖)は、歯並びや顎の成長に悪影響を与えることがあります。
特に口呼吸 は歯並びへの影響が大きく、出っ歯や受け口、開咬(前歯が噛み合わない)などの原因になります。口呼吸の習慣があると、舌が正しい位置に置かれず、前歯を押してしまったり、舌を前歯の間に挟む癖がつくことがあります。また、指しゃぶりや頬杖、爪咬みなども顎の発達に影響し、正しい噛み合わせができなくなることがあります。

当院では悪習癖の改善をサポートします

当院では、歯並びに悪影響を与えるクセを改善するために、 筋機能療法(MFT) を取り入れています。お口周りの筋肉や舌のトレーニングを行い、正しい舌の位置やお口の使い方を身につけることで、矯正治療をより効果的に進めることができます。

小児矯正はいつから始める?

お子様に合ったベストなタイミングで

矯正治療は「○歳になったら必ず始めるべき」という決まりはありません。
ただし、永久歯の生え方や顎の成長を考えると、何もなくても7~11歳頃に一度相談するのがおすすめです。お子様の成長に合わせた最適な矯正治療を提案いたしますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。

  • 0期治療(3歳~6歳頃)    →乳歯が生え始めたら、歯並びが乱れないように必要に応じて予防矯正を行う
  • 第1期治療(7~11歳頃)→顎の成長をコントロールし、歯並びを整えやすくする
  • 第2期治療(12歳以降)  →本格的な矯正で永久歯の歯並びを仕上げる

3~6歳(プレ矯正)

乳歯の歯並びや咬み合わせを確認し、歯や顎の成長発育に問題をきたしそうな場合、今後、生えてくる永久歯に悪影響を及ぼしそうな場合は、予防的な矯正治療をおすすめしています。

7~11歳頃(第1期治療)

永久歯が生え始めると、受け口や出っ歯などの咬み合わせの異常がはっきりと分かるようになります。この時期を過ぎて自然に治ることはほとんどなく、今後生えてくる永久歯の大きさや歯並びの問題も予測しやすくなります。
そのため、前歯が永久歯に生え変わる7~11歳頃に矯正治療を始めるのが理想的です。この段階で、顎を広げたり、奥歯を後ろに動かしたりすることで、永久歯が正しい位置に生えやすい環境を整えます。通常2年ほどの治療を行い、その後は永久歯が生えそろうまで経過観察を続けます。

第1期治療のメリット
  • 将来的な歯並びが整いやすくなる
  • 第2期(本格矯正)の負担が減る
  • 軽度の不正咬合なら、第2期治療が不要になることもある

ただし、歯の生え変わりの時期には個人差が大きいため、適切なタイミングはお子様の状態によって異なります。「乳歯の時は問題なかったのに、生え変わったら歯並びが悪くなった…」というケースも少なくありません。定期的にチェックを受け、必要な処置を早めに行うことが大切です。

12歳~15歳(第2期治療)

永久歯が生えそろったら、本格的な矯正治療(第2期治療)を開始します。約2年間の治療期間を経て、最後に保定装置を使用し、きれいな歯並びを維持します。
使用する矯正装置は、成人矯正と同じです。当院では、マウスピース矯正(インビザライン)からワイヤー矯正まで対応しています。

思春期の矯正治療のメリット
  • 見た目や発音の悩みを早めに解消できる
  • コンプレックスを減らし、自信につながる
  • 積極的に学校生活やスポーツに取り組める
親知らずのチェックも重要!

せっかく矯正で整えた歯並びが、親知らずの影響で乱れることもあります。矯正治療開始前に、一度親知らずのチェックを受けることをおすすめします。

受験や部活との両立もサポート

中高生は、部活や受験で忙しく、矯正治療のスケジュール管理が重要になります。当院では、テスト期間や大会前などのスケジュールを考慮しながら治療を進めることが可能です。

小児矯正のメリット

骨格から改善できる

成長期の子どもは、顎の骨が柔らかいため、適切な誘導を行うことで骨格そのもののバランスを整えることができます。成長が終わった後に矯正をする場合、顎の骨格を変えることは難しく、場合によっては外科的な治療が必要になることもあります。
小児矯正を行うことで、歯並びが悪くなる根本的な原因を解決できるため、理想的な口腔環境をつくることができます。

痛みや負担を抑えられる

子どもの骨は柔らかく、歯の移動がスムーズに行えるため、大人の矯正に比べて痛みが少なく済みます。

適応が早い

子どもは環境への適応能力が高いため、矯正装置にも比較的早く慣れることができます。
また、矯正後の噛み合わせの変化にも歯や歯茎、筋肉が素早く順応するため、スムーズに治療を進めることができます。

抜歯リスクを軽減できる

永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保することで、歯の重なりや乱れを防ぐことができ、抜歯のリスクを大幅に軽減することが可能です。
成人矯正では抜歯が必要になるケースも多いですが、小児矯正を適切に行えば、歯を抜かずに済む可能性が高まります。

小児矯正装置の種類

歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)

乳歯列期の受け口(反対咬合)の治療に使われる、筋機能を正常化し、咬み合わせの乱れを整える装置です。
就寝中にマウスピース型の矯正装置をくわえるだけという簡単な方法ですので、小さいお子さんにも負担が軽く、取り組みやすいところが特徴です。

フェイシャルマスク

上顎の成長が悪いため受け口になっているケースに使用します。おでこと下顎の間についている金具に上顎を前方に引っ張るゴムを取りつけ、上顎を前方に成長誘導することで受け口を改善します。
取り外しができ、小学校低学年の時期に就寝時か自宅内で使用します。

バイオネータ

ワイヤーとプラスチックでできている装置で、下顎が後退していることが原因で咬み合わせが悪くなっている場合の治療に使用します。歯列そのものに大きな乱れがなく出っ歯になっているといったケースに適しています。自宅にいる間など1日10時間程度装着し、食事のときは外します。成長期に筋肉の動きを利用して矯正するため、8~13歳頃にしか適用できません。

床矯正装置(拡大プレート)

お口の裏側や粘膜部につけるプラスチック製の床部分(レジン床)と、表側の歯を抑える金属線で作られた入れ歯のような形の装置です。レジン床にバネやネジを埋め込むことで歯を移動します。乳歯、あるいは乳歯と永久歯の混ざった混合歯列期の不正咬合の処置によく用いられます。永久歯列では補助的補正として、また後戻りを防ぐ装置として用いられています。

歯列矯正用咬合誘導装置(T4K)

間違った舌の位置や口呼吸、異常な飲み込みや舌の突き出しのような悪習癖を改善し、正しい顔の発育や正常な歯列の発達を促す装置です。永久歯に生え変わる時期、混合歯列期に装着します。

チンキャップ

ゴムの力を用いて、下顎が前方へ成長するのを抑える装置です。頭にはキャップと呼ばれる帽子をかぶり、下顎には顎当てをつけ、それを大きな輪ゴムで引っ張ります。頭につける装置ですので、寝ているときや勉強しているときなど自宅内で使います。

上顎拡大装置(クワドヘリックス)

歯がきれいに生え揃うスペースが十分にない場合に、上顎骨の幅を拡げる目的で用いる装置です。W字型をしたワイヤーを左右の奥歯にひっかけて、歯の裏側から歯列の内側に固定します。身長の伸びのよい時期に装着すると効果がありますが、顎の成長が終わってしまってからではあまり効果が望めません。

急速拡大装置

エクスパンションスクリューと呼ばれるネジを、奥歯につけたバンドにつなげて上顎の真ん中に固定し、このネジを回転させることによって少しずつネジを横に拡げ、顎を拡大する装置です。

お子様一人ひとりに合った小児矯正を

小児矯正は、お子様の顎骨の成長をコントロールしながら、永久歯が正しい位置に生えてくるように誘導する治療です。適切な時期に治療を開始することで、成人矯正の負担を軽減し、健康的な歯並びを手に入れることが可能となります。
小児矯正にはさまざまな装置があり、お子様の歯並びの状態や成長に合わせた治療方法を選ぶことが重要です。お子様の未来のために、歯並びの不安を感じたら早めにご相談ください。

小児矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について

  1. 最初は矯正装置による不快感や違和感、軽度の痛みは、数日から1、2週間で慣れることが多いです。
  2. 装置の使用状況、定期的な通院等、矯正治療は患者さまの努力が必要となります。それらが治療結果や治療期間に影響します。
  3. 治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることもあります。
  4. 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  5. 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
  6. 様々な問題による影響で、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
  7. 矯正装置を誤飲する可能性があります。
  8. 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、被せ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  9. 装置が外れた後、現在の咬み合わせに合った状態の被せ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやりなおす可能性があります。
  10. 治療後に顎の成長発育により咬み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  11. 治療後に親知らずが生え、凸凹が生じる可能性があります。加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると咬み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になることがあります。
  12. 骨格的な問題のある場合や予期せぬ成長のあるケースでは、外科的な対応が必要となる場合があります。
  13. 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。