矯正治療中の小学生の男の子。
にっこにこ顔で誇らしげに「これあげる...。誰かの役に立つんでしょ?」
お家で抜けた乳歯を持ってきてくれたのでした。
院内のポスターを読んでくれていたのでしょう。
「大事に持ってきてくれてありがとう。」
「説明が足りなくて、ごめんね。歯が必要なのではなくて、
歯の中の髄という部分が必要なの。」
「...?ずい?」
「抜いたばかりの歯から祐子先生が髄を取り出して、
作業を加えて歯髄バンクと言うところに送るのよ。」
「せっかく誰かの役にたててくれようとしたのにね、
ごめんね。」
残念そうな顔です。
「今日は○○君の気持ちだけ貰うね。
ほんとうにありがとう。」
こっくりとうなずいてくれた○○君でした。